当社のHP上に保有設備の写真と共に記載してあるのが、通常時加工範囲という項目です。
自分で勝手に考えた言葉ですが、HPを作る際には絶対にやりたかった事の一つでもあります。
工作機械には当然可動範囲というものがあります。
例えば、
x=500、y=300、z=400
という可動範囲の機械があったとします。
実際の加工現場というのは、テーブル上にワーク固定のバイスが載っていたり、z軸なんかはそんなに長い刃長の工具が無かったりします。
そうなると、実際に加工できるのは工作機械の能力よりも一回り小さいモノということになります。
上記の例えで言うと、
x=400、y=250、z=300
ぐらいの感じでしょうか。
なんか当たり前の事かも知れませんが、知らない人は結構多いです。
車だって180キロまでメーターが刻んでありますが、どんなに頑張ってもそこまで出ない車は多いです。
お客さんと話している時に、『どのぐらいのサイズの製品まで加工出来ますか?』という問い合わせを時々受けていたので、こういった試みをやっています。
じゃあ、その範囲を超えるモノの依頼は断っているのか?
断りません!
物事には必ず例外というものがあり、あくまで通常時という括りでの話です。
その範囲を超える製品も少し時間を掛け、工夫をしながらジャンジャン加工はしています。
例えば、
x=500という機械で
x=800という加工をする。
こんなのはしょっちゅうです。
そういった製品をどれだけ上手く精度内に収めるかが加工者の腕の見せ所でもあります。
現在販売されている工作機械の精度は何処のメーカーだろうと素晴らしいものとなっていて、可動範囲内での加工であれば余程の難削材でもない限り、誰がやってもかなりの精度で加工が出来るようになっています。
職人であるからにはイレギュラーな加工時の対応力が求められます。