先日、長くお付き合いをさせて頂いているお客様が工場見学をされました。
自分の設計部門に現場から若手を引っ張り上げて設計を指導しているところで、実際の加工現場を見させてやりたいと以前から希望を聞いていたところでした。
確かに、加工を知っている人と知らない人の設計はまるで描き方が違います。『あっ、この人は良く分かっている』こちらも直ぐに分かります。
こういう人とはコストダウン提案や材質変更等の話し合いも非常にスムーズに進みます。
設計者は少しで構わないので、加工を経験(体験)すればそれが描く図面に反映されます。
無意味な公差や良く分からない三角法、統一されていない寸法の基準位置、C面取りやR面取りの有効性。直角度や平面度や平行度を出す為の歪直しの難しさ。
加工者は、重要度の低そうな公差や形状だと分かっていても図面に描いてある通りのモノを製作しようとします。当たり前です。
無駄に加工に時間が掛かればそれらは全てコストアップになってしまいますので、こういった基本的な事を直すだけで簡単にコストダウンに繋げる事が出来るようになります。
そのような改善項目は僕の方でお客様に出来るだけ伝えるようにしています。お互いWIN-WINの関係性を築きたいです。
そういう意味でも、今回の見学は今後の若手社員さんの将来にとって非常に良い試みだったと思います。
本人さんも現場上がりだけあって、見学中は工作機械や加工方法に興味津々でした。
そして最後に感想を聞くと‥、
大半の見学者の方と同じ様に
●最終仕上げ工程の整然と整理された工具達や自作された改善道具
●共有検査道具や治具の綺麗な管理方法
●綺麗な床
この3点についてのお褒めの言葉を頂きました。
日々の改善活動や清掃努力は見る人が見れば必ず気付いてもらえる事も合わせて、翌日の朝礼で全員に伝えました。