株式会社アムデック
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社長ブログ

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2023.10.02

完成品の測定技術

極まれに納品した製品が精度が出ていないとクレームの連絡が入ることがあります。

 

クレーム率はこのHPでも公開(更新には結構な費用がかかるので頻繁には出来ないが、ずっと記録は取り続けています)していますが、その中で一番多いのが『3次元測定器で計測したけど精度が出ていない』というものです。

 

製品を引き取り当社で再度計測し直してみると寸法通りで合格のものがほとんどで、再度持ち込んで再測定してもらうと合格になるものがほぼ全てでした。

この10年ぐらいで僕がパッと思いつくだけでも3件ほどそういうケースがあったかと思います。

 

※ほぼと書いたのは、今年1件リーマ間ピッチ公差±0.005(当社の公差保証値外)が外れているクレームがあったからです。これに関しては特殊な部品だったようで、こちらとしては±0.01以内に収まっていたのでOKの判断をしたのですが、それでは駄目だったようです。

 

3次元測定器で測定したから間違いは無いと言うのでクレームが入るのですが、この考えが非常に危険で、誤差が出にくいだけで測定者の技量によって正確な寸法が測定できないのはアナログな測定器と同じです。

 

当社は専任の検査員がアナログ(マイクロメータ・ピンゲージ・ブロックゲージを併用した検査方法)な測定機器+工作機械上での測定+画像測定器の3種を併用しながら最終検査を行っています。

シンプルであるが故に測定者の技量も求められますし、肝心の測定器具に狂いがあっては意味が無いので、測定前のゲージでのゼロ合わせも欠かせません。

 

測定も加工技術と同じように、技量の積み重ねです。

便利な機器も使用しつつ、アナログな測定器も使用できるようになっていないと、製品の本質的な用途を考えた検査ができるようにはなりません。

2023.09.14

京都~滋賀

昨日は6月の県外お客様訪問の続きで、午前中に京都の材料商社様。午後は滋賀のお客様まで行って来ました。

両方のお客様ともに、約10年ぶりの訪問となります。

 

京都の材料商社様は創業から75年!の歴史がありますが、昨年社名を変更されて新しいスタートを切られています。

当社は確か2004年頃からこちらで材料を購入するようになったと思いますが、当時の女性営業さんは現在は取締役にまで出世されています。

 

差別化しにくい業態の材料商社さんですが、当社がこれまでに提案したアイデアをどんどん採用し、それを実現させて行っておりその行動力と実現力にいつも感心しています。

材料のオンライン発注システムも早くから取り組んでおり、上記含めて僕にとってはとても利便性の高い材料商社さんとなってくれています。

 

工場も見学させていただきましたが、コロナ禍にあっても新しく、材料+加工(小)して納品という品目も実現させていました。前回の見学時もそうでしたが、生産効率が凝縮された工場は見ていて楽しいです。

 

午後のお客様は6月に訪問した椿本チエイン様と同様に、永いお付き合いをさせていただいており、その間担当者様が何人か変わられていますが挨拶にも伺っていない当社に変わらず発注をしていただいている企業様です。

現在の担当者様(価格交渉が厳しい)とも今後はお手柔らかにと挨拶ができ、ホッとしています。

 

前回訪問した際は、造船業界向けや専用機向けの仕事がメインだというような話を聞きましたが、3年ほど前からは医療業界向けに専門部署をつくり新たな販路開拓に力を入れているようです。当社で製作した部品も一部は使用されているようです。

 

工場見学もさせて頂き、ちょうど先月納品した部品が設備に組み付けされていましたが、製作した部品からは想像も出来ないぐらいの大きさの設備で圧倒されました。

 

両社ともコロナ禍に次の手を考え新たな販路開拓へ向けて自己投資を行っていました。

厳しいときにこそ次のステップへ向けて高い目標を掲げて上を見据えて走る姿勢に、当社も負けていられない気持ちを強く持ちます。

今後は回復基調の軌道にしっかりと乗せながらお互いの発展を望みます。

 

 

名神高速の大津SAから琵琶湖の写真

 

 

 

2023.08.18

今年は節電要請は?

今年は夏らしい夏で、7月から毎日暑い日が続きます。ほとんど雨も降っていませんね。

 

当社は上昇し続ける固定費を少しでも抑えるべく、7月から事務所は家庭用エアコンを一台のみ最弱で稼働(これは毎年)、工場は4台あるエアコンを午前と午後で半分ずつ稼働させる作戦を実行しています。

使用料金削減の意図ももちろんありますが、ピーク時の使用量を抑えないと基本価格が下がらないのではないかと考えてやり始めてみました。

 

今回、この作戦の計画書は僕ではなく社員に考えてもらい、決めたことを口頭で説明するだけではなく見える化することに強く拘ったので、大きくプリントアウトして各エアコンに貼り付けてあります。

はっきり言ってダサいです。

 

ですが人間覚えたことは必ず忘れますので、こうやって嫌でも目に付くカタチにすること。

見る度にこのダサさをどうにかならないかと考えて欲しい。もし僕がこの作戦を最初から考えて実行していれば、ダサくても社長が勝手にやったことだからという心理で社員は思考停止で張り紙はただの風景になり下がります。

張り紙一枚でも自分がそこに関わると、その行く末が気になるもんです。

 

それから初めての料金表が届いたのですが、昨年と比べて一カ月でなんと5万円も削減できました。このペースならこの夏で10万円以上の削減に成功することになります。大きい!

結果が直ぐに分かり、しかも成果がはっきりと数字で出たのでやりがいはありましたね。

 

2台しか稼働していないので、確かに依然と比べて室内はめちゃくちゃ快適とは言えませんが、エアコン無い工場で働いている人なんてごまんといますし、そもそも当社も本社工場を建築するまではそうでした。

世代交代が進んだので、それを知る社員も今では少なくなりました。

 

僕は毎日軽トラで汗だくになって外回りしていますし、外で働いている人も大勢います。

贅沢言えばきりがないですし、工場内もそうだと言わなければ気が付かない人も多いぐらいの環境は保てています。

このような経験を皆でしておくのも大切だと思います。

 

と、ここまで書いてタイトルの件を思い出しました。

こんだけ猛暑続きなのに今年は政府の節電要請キャンペーンを全く見聞きしません。

どこかで原発動き出したのでしょうか?熱中症を心配してキャンペーンを止めたのでしょうか?この国の電力需給状況はよく分からん。

2023.08.03

便利な材料

僕が入社したころは、社内でミガキフラットバーをノコ盤で切って2F加工、というのを結構やっていました。ほとんどの会社がそうだったと思います。

なので図面の寸法はできるだけフラットバー規格に合わせて描くのが基本でした。

 

ですが、徐々に全ての材質において6F加工済みの材料が購入出来るようになっていきました。最初は寸法や材質を紙に書いてFAXで注文でしたが、今は3社のオンラインシステムを使い分けて見積もりや材料発注しています。

 

価格と納期が一瞬で表示されますし、午前中に発注すれば特殊なものではない限り、翌日クロネコヤマト便で朝一番に到着するので相当便利です。

これにより様々な材料の在庫を保管しなくてよくなったので、社内のスペース効率も向上しました。

 

更に材料の技術開発もどんどん進んでおり、各社オリジナルの便利な材料が数年毎に新発売されています。

有名なのがプリハードン鋼と呼ばれる製品で、NAK材やHPM材等がそうです。

NAK55は当社でもよく使用しますし、更に能力を向上させたNAK80も出て来ています。これは生材で最高硬度を誇る材料です。

 

今までだとS45CやS50Cに焼き入れ指示があるような製品なんかは、焼き入れ後に変形するので焼き入れ後の加工が基本となりますし・焼き入れ後は真っ黒になるので磨いたり再度削ったり研磨したりで後処理が大変ですし日数も掛かっていました。

これらの材料をプリハードン鋼へ変更することで、上記の問題が一気に解決します。

※黒染処理が綺麗に真っ黒にならない(色が薄い)のが難点ですが。

 

アルミで言えばSSとほぼ同等の引張強度を持つA7075なんかも当社ではよく加工します。強度は欲しいけど重量を軽くしたい場合に最適ですね。

SSと違って錆びないので表面処理も不要。加工が完成次第に即納出来ますし、後々追加工が必要になっても扱いが簡単です。

 

定期的に材料商社さんにレクチャーを受けて情報を仕入れています。

2023.07.22

祝:直木賞受賞 垣根涼介氏

今週、嬉しいニュースが飛び込んで来ました。

 

昔から好きな作家さんの一人、垣根涼介さん。

代表作のワイルドソウルが有名です。やっとというか、ついに直木賞を受賞されました!

 

相当な車(バイク)好きで、作家生活前半作品の中ではかなりマニアックな運転技術や改造知識を書き込んでいるのも、好きになった要因です。

作家生活後半は執筆ジャンルを歴史小説にシフトされ以前と変わらずヒット作を続けていますね。

歴史小説だけど小難しくなく読みやすいのも人気の一つだと思います。

 

数ある作品の中でも好きなのが

 

君たちに明日はない

 

 

(全5冊)シリーズです。

 

企業から依頼を受け、対象社員に対してリストラ勧告業務を代理で請け負う(そんな会社は実在せず、架空です)社員の短編物語です。

 

日本では指名解雇は出来ないので、あの手この手で退社してもらえるように話をするのですが、これだけ聞くとマイナスオーラ全開の暗い小説かと思われますが、そうではありません。

辞める人残る人、それぞれに未来への希望が生まれたり前向きになっていける物語です。

 

僕が一番好きなのが、シリーズ二冊目の『借金取りの王子』の中の表題作。

何故、営業成績も良く部下から慕われている店長がリストラ対象者となってしまっているのか?

主人公の真介が面接時にその理由を突き付けます。

 

真介が突き付けるこの考えはとても重要で、リストラというものが優秀ではない社員だけに向けられるものではないということを表しており、かつての自分自身もそうだったのです。

 

作者は何故これほどまでに、いちサラリーマンの心情を巧みに描くことが出来るのか?

全シリーズ通して登場する人物像と社会の未来予想が相当リアルで、作品が発表され始めた2005年~より、現代に読むと更にリアリティーが倍増されます。

 

最終話では主要登場人物たちも新たな人生が始まり、タイトルから想像される暗さは無く、全体を通して希望の持てる内容になっています。

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