2023.08.03
便利な材料
僕が入社したころは、社内でミガキフラットバーをノコ盤で切って2F加工、というのを結構やっていました。ほとんどの会社がそうだったと思います。
なので図面の寸法はできるだけフラットバー規格に合わせて描くのが基本でした。
ですが、徐々に全ての材質において6F加工済みの材料が購入出来るようになっていきました。最初は寸法や材質を紙に書いてFAXで注文でしたが、今は3社のオンラインシステムを使い分けて見積もりや材料発注しています。
価格と納期が一瞬で表示されますし、午前中に発注すれば特殊なものではない限り、翌日クロネコヤマト便で朝一番に到着するので相当便利です。
これにより様々な材料の在庫を保管しなくてよくなったので、社内のスペース効率も向上しました。
更に材料の技術開発もどんどん進んでおり、各社オリジナルの便利な材料が数年毎に新発売されています。
有名なのがプリハードン鋼と呼ばれる製品で、NAK材やHPM材等がそうです。
NAK55は当社でもよく使用しますし、更に能力を向上させたNAK80も出て来ています。これは生材で最高硬度を誇る材料です。
今までだとS45CやS50Cに焼き入れ指示があるような製品なんかは、焼き入れ後に変形するので焼き入れ後の加工が基本となりますし・焼き入れ後は真っ黒になるので磨いたり再度削ったり研磨したりで後処理が大変ですし日数も掛かっていました。
これらの材料をプリハードン鋼へ変更することで、上記の問題が一気に解決します。
※黒染処理が綺麗に真っ黒にならない(色が薄い)のが難点ですが。
アルミで言えばSSとほぼ同等の引張強度を持つA7075なんかも当社ではよく加工します。強度は欲しいけど重量を軽くしたい場合に最適ですね。
SSと違って錆びないので表面処理も不要。加工が完成次第に即納出来ますし、後々追加工が必要になっても扱いが簡単です。
定期的に材料商社さんにレクチャーを受けて情報を仕入れています。